幻の道トレッキングで観察できる生き物や自然環境の紹介ページです。
・ツアーで観察した生き物の名前などを調べるのにお役立てください。
・見たい生き物や詳しく解説して欲しい生き物などあればツアー中にお気軽に言ってください。
トゲアナエビ
砂地に沢山の穴が空いているのはトゲアナエビの巣穴、巣穴から顔を出して餌である藻が流れているのを待っている場合もあります。
穴を覗いて触覚やハサミの一部が見えていたら、リュウキュウスガモの葉を使っておびきだすエビ釣りができる。
クモヒトデの仲間
ウデフリクモヒトデなどを観察できる。
岩の下や穴から手をだしていて、タコと間違う方も多い。
無理やり引っ張り出したりすると腕がちぎれるので注意。
穴からでて歩いている個体もよく見かける。
オオシャコガイの化石
熱帯地方に分布する世界最大の二枚貝で、現在の沖縄ではほぼ絶滅(八重山地方で小型個体の発見例があるそうです。)している。
現在より海水温が高かった約7000~4300年前は沖縄近海にも生息していたそうで、その頃の貝殻が化石となり石灰岩の中に埋もれている。
無人島付近の沿岸で複数の化石を観察できる。
二段のマイクロアトール
マイクロ(=小さな)アトール(=サンゴ礁)
成長し海面より高くなった上部は生きていけず骨格のみになっているサンゴ。
単一種で構成される小さなサンゴ礁のような構造。
写真は無人島付近にあるハマサンゴ属の群体が形成したもので、二段構造になっている。
上段は過去の海水面で下段が現在の海水面、この当たりでは海水面が下がったまたは地盤が上昇したことが分かる。
ヤシガニ
陸生甲殻類で最大種。
オカヤドカリの仲間で、幼体は貝殻に入っているらしいが大きくなると貝殻には入っていない(入れるサイズの貝殻もない)。
夜行性で昼間は暗がりでおとなしくしている。無人島ではヤシガニの個体数が多い、生息域が限定的なためか昼間でもアダン林や岩場の暗がりを覗けば観察できる場合がある。
遭遇率は五回に一回くらい。
ミナミイワガニ? オオイワガニ?
海岸の岩場や潮溜まりに近づくと素早く逃げるカニはミナミイワガニやオオイワガニ。
この二種はとても似ていて、オオイワガニの方が輪郭が丸いらしいのてすがちょっと見分け方が分からないでいます。
オカヤドカリの仲間
基本的には夜行性で夜になると大型個体も活発に活動するが、昼間の砂浜では、~数cm程度の小さなヤドカリを多数観察できます。
これは、水棲生活を終えて陸上に上陸して数年までの個体だそうです。
全種が天然記念物に指定されているので持ち出しなどはしてはいけない。
無人島の海岸で出会うのはムラサキオカヤドカリとナキオカヤドカリです。
この二種を眼柄の下側に黒い斑点があるかどうかで見分けることができます。
斑点なし→ムラサキオカヤドカリ
斑点あり→ナキオカヤドカリ
ミナミスナガニ
無人島の砂浜で観察できる。
砂浜を素早く動くカニで、砂と同じような色をしているので何が動いたのか分からないような時もあります。
たまにじっと動かない時があるので、その時がシャッターチャンス
エリグロアジサシ
カモメの仲間で例年4月~9月頃無人島で子育てをしている南方からの渡り鳥。
海岸の崖の上に巣を作りペアで子育てを行う姿や海で魚を捕まえる姿を観察てきる。
警戒心が強く近づくと威嚇攻撃してきたり、子育てをやめてしまう可能性もあるので営巣中は巣に近づきすぎないようにしましょう。
ヒメジャコ
サンゴの隙間や石灰岩の穴で暮らす小型のシャコ貝。岩を溶かし穴を広げながら成長していく。
サンゴと同様に光合成を行う褐中藻という単細胞藻類と共生しているため外とう膜が鮮やかな色相である。青や黄色など明るい色の個体もよく見る。
アオウミガメ
満潮時には干潟エリアで海草を食べているが、幻の道トレッキングを行う時間帯は干上がってしまうので無人島周辺の深みで潮が上がるまで待機している。
数ヶ所ウミガメの待機場があり水中観察を行うこともできる。
ウミガメの産卵痕跡
無人島にはウミガメが産卵する砂浜があります。ウミガメは夜に産卵しますが、上陸した足跡が砂浜に残ります。
小さな砂浜なので、常に観察できるものではありませんが、例年数個体は上陸しているようです。
足跡の特徴からウミガメの種を見分けることもできます。
漂着物
無人島の砂浜で沢山の漂着物を見つけることができます。
特に黒潮にのって沖縄には自生しない植物の種子も流れ着きます。
(以下、写真掲載順に)
・ニッパヤシの種子
ヤシ科のマングローブ植物の種、日本では西表島にわずかな自生地がある程度でおそらく
・ココヤシの実
沖縄では街路樹などに植えられている場合もあるが自生はしない。また実も実らないので海外から流れ着いたものだと思われる。よく海外でストローを指してココナッツミルクを飲むやつ
ヤシガニやヤドカリの好物で食す姿もしばしば観察できる。
・ゴバンノアシの種子
沖縄には自生しないサガリバナ科の植物で夜に花を咲かす。種の形が「碁盤の肢」のようであることが名前の由来。
・ヤコウガイのフタ
世界最大のサザエの仲間のふた。
・コウイカの甲
イカの仲間で硬い石灰質の甲を持つコウイカの甲。沖縄にはコブシメというコウイカが生息して死ぬと甲が海水に浮き砂浜に打ち上げられる。
サンゴの骨格
無人島の砂浜はサンゴや貝殻が材料です。
サンゴの骨格の断片が沢山観察できます。
色々な形があり、サンゴ個体の大きさや並び方も様々、生きているサンゴだと観察できないことを手にとってじっくり観察できます。
※サンゴや貝殻の持ち出しは条令で禁止されているので、観察するだけにしましょう。
鍾乳洞
サンゴが作った石灰岩は水に溶け、再び空気に触れる際に結晶を作り鍾乳石になります。
隆起石灰岩でできた無人島には雨水によりできた鍾乳洞がいくつもあり、海岸浸食により入り口が広がった海食洞が何ヵ所かある。
中に入れる鍾乳洞もあり、ヤシガニの巣穴にとなっている。
アダン
海岸の低木。無人島の森林部分の優占種で、茎から気根を伸ばして密集した群落を形成している。
パイナップルのような実は熟すとバラバラと落ちオカヤドカリやヤシガニが食す。
ヤシガニは夜間木に登って実を食べる。
実は人間の食用にはならないが、八重山地方では新芽を食べる。
モンパノキ
海岸の常緑低木。春から夏にかけて白い花を咲かす。葉は産毛のような細かい毛に覆われていて紋羽(もんぱ)という名前の由来だそうです。毛に覆われた葉が海水の飛沫対策に役立ち砂浜でも生育することができる。
オオハマボウ
沖縄の方言で「ユウナ」と呼ばれるアオイ科フヨウ属の低木。
海岸の天然のハイビスカスで黄色の花を咲かせる。花は一日花で夕方になるとオレンジ色になり落ちる。
どこの海岸でもごく普通に見れるので、ホテルの近くなどで見かけたら夕方頃観察に行ってみるのも面白い。
葉はハートの形をしている。
モクビャッコウ
海岸の岩の上に生える。白い葉が美しく観賞用にも好まれる。キク科の植物で冬季に黄色の花を咲かす。
環境省、沖縄県の絶滅危惧種に指定されている。無人島の自然海岸ではごく普通に見れるが、沿岸の開発等で生息場所の減少が懸念される。
イソマツ
海岸の石灰岩に地帯生える。
葉が落ちた姿が松のように見えることから磯の松というのが名前の由来らしい。
春から秋にかけて黄色やピンクの花を咲かすと言われているが、無人島ではピンクの花を咲かしているものが多い。
ボタンボウフウ(長命草)
沖縄の方言で「サクナ」と呼ばれる食べる草。久米島の飲食店でも普通に提供している。
海岸の岩場などに生え、海のミネラルを豊富に含み「一枚食べると1日寿命が延びる」なんて言い伝えもあるそうです。
冬季に花を咲かす。
モクマオウ
敢えて無人島に無いものを紹介させて頂いた。
こちらのモクマオウは外来種で、競争力の強い植物で出発する奥部島や久米島の沿岸はモクマオウ林になっている場所も多いが手つかずの自然が残っている無人島にはでは一本も見ない。
植生の自然度を知る指標となる。
イボハダハナヤサイサンゴ
樹枝状の球状の形状。ミドリイシのように先端に大きな個体はなく
大小様々ないぼ状の突起が並ぶ。紫やピンクなど鮮やかなものが多い。
礁縁部の波あたりのよい浅瀬では干出した群体を観察できる。
イワスナギンチャク類
六放サンゴ亜綱スナギンキャクチャク目イワスナギンチャク科の刺胞動物の一種。
礁縁の波あたりのよい場所を覆うように生息している。褐色藻と共生し群体を形成する。
体内に砂粒を貯めて体を補強する。
サザナミサンゴ科のサンゴ
キクメイシ属、タバネサンゴ属、ナガレサンゴ属、ノウサンゴ属などがこのグループに属する
ハチの巣状のキクメイシ、迷路模様のようなナガレサンゴやシナノウサンゴ、脳のような模様のノウサンゴ等模様が面白いものが多く。
干潮時は水面から観察できます。間近でサンゴ群体の模様を観察してみてください。
コリンボース状、指状のミドリイシ
コリンボース状とは横方向に放射状に張り出した枝から上方向に枝が伸びているような形状で散房花状ともいう。
礁縁部のかなり浅い場所にも多く大潮の干潮時には海面から露出している場合も多い。
種類、色相ともに豊富でピンクや紫、青など様々な色の群体を観察できる。
ハマゴウ
砂浜の低木の木本植物。
イソアワモチ